chihiro’s archive

重要記録を保存・活用し、未来に伝達することをアーカイブという。

120825JIA建築セミナー2012③

③ 日本民芸館と柳宗悦自邸の見学・講義 杉山享司[日本民芸館学芸部長]
バーナード・リーチ展」[6月19日─8月26日]開催中

<概要>
日本民藝館の展覧会バーナードリーチ展見学
日本民藝館×NHKによる柳宗悦DVD鑑賞
・杉山享司[日本民芸館学芸部長]による講義。
柳宗悦自邸見学
<感想>
■バーナードリーチの展覧会について
展示の方法に対する考え方一つとっても創設者である柳宗悦の考え方が反映されていて、とても感銘を受けた。
解説は「作品名、時代、作品の作られた場所」のみの記載となっている。解説が少ないという苦情もある中、この展示方法を続ける理由は、設立者である柳宗悦の大切にしていた「直感」という言葉。『解説など読まずとも直に感じてものの良しあしを決めろ、感じろ』との言葉から現在の展示解説を続けているとのこと。情報過多な現代において、情報に惑わされず眼を養ってほしいとの気持ちからくるものらしく、胸に手を当てて聞いてみなければならぬ、身の引き締まる言葉だった。個人的な感想ですが、例えば直島・犬島美術館などでは解説が多すぎる。美術品や展示品の見方を押し付けるのはいやだと不満を漏らした人がいることを思い出しました。見方は一つじゃないし、決めつけるのは美術品じゃないということを改めて思いました。
柳宗悦自邸見学について。
柳宗悦はインダストリアルデザイナー柳宗理の父にして民藝という言葉を作り出した思想家、美学者。日本の民芸品の中に美を見出した人の自邸。とても素晴らしく、何が素晴らしかったかというと、機能美の集合体が自邸であったこと。
白川PAのおっしゃていた、「99% the form follow the function。形態は機能に従う。1% the form follow the passion。形態は情熱に従う。」の精神に近い。そしてその集大成が、柳宗悦自邸。生活の為の工夫がそのまま形になりそれが美となっている住宅を久々に見ることができました。藤井厚二の聴竹居以来の感動ではないかと思います。

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